風林火山 投資録

疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し

トゥキディデスの罠と中国

こんばんは、けんしんです。

 

年初に起こった株式市場の混乱は一体何だったというくらい落ち着いた相場になりましたね。業績相場に戻ったのかはたまたセルインメイの前のつかの間の安定なのか。予断は許しませんが現状心地よい相場です。

 

長期金利上昇懸念に始まり、貿易戦争懸念の台頭によってピークを迎えた今年の株式市場の混乱ですが、習近平の国内市場の外資開放や知的財産保護を打ち出したことにより、一気に沈静化に向かいました。

 

トゥキディデスの罠という概念があります。

 

アメリカの政治学者であるグレアム・アリソン教授が、ペロポネソス戦争を分析した古代ギリシャの歴史家トゥキディデスにちなんで作られた造語で、現在の米中対立にも引用される考え方です。

 

新興国が台頭する時、覇権国に挑戦し、覇権国が受けて立てば戦争に発展する。かつてアテネが台頭した時、当時の覇権国であるスパルタとの間で摩擦が起こり、戦争が発生したことについてトゥキディデスは「ペロポネソス戦争史」にて分析を行っています。

 

アリソン教授が、西暦1500年以降、覇権国と台頭国との間で対立が発生した事例を調査したところ、該当事例が16件あり、うち12件がトゥキディデスの罠に陥り戦争に至ったと論じています。75%が戦争に至ったという恐るべき数字です。

 

現在の覇権国と言えばアメリカであり、台頭する新興国と言えば中国となります。二国もいずれトゥキディデスの罠に陥り、戦争に至るのではないか、過去の事例を鑑みれば楽観するにはあまりにも恐ろしい数字です。

 

ここで、昨今の中国を鑑みると、中国はアメリカとの直接的な対立を避けている印象があります。先の貿易戦争懸念での譲歩やかつて習近平オバマ大統領に「新型大陸関係」を呼び掛けた事もそうです。中国も対抗はするものの、危険水域に達すると譲歩するのは必ず中国側です。

 

そう思えば、中国側の大人の対応により戦争は回避できるのではないか、そのような考え方も出てくると思います。

 

しかし、中国は弱者に対して徹底的に強く出る、という側面も持ち合わせています。南シナ海における東南アジア諸国、台湾、尖閣諸島における日本、そして覇権国アメリカと、相手の強さに応じて侵略の度合いを変えています。国内政治における権力志向も相当なものです。

 

かつて、鄧小平時代のは中国の外交方針は「韜光養晦」として知られています。「才能を隠して、内に力を蓄える」という意味で、決定的な対立を避けるという点で強者(=アメリカ)に対してはこの方針を守っているように思います。

 

今、アメリカに対して妥協しているのも、勝てないから対立を避けているだけであって、力関係が逆転した時はアメリカも含めた他国にどう出てくるのか少々恐ろしいものがあります。

 

そうした状況下でアメリカが撤退、あるいは敗北することが日本にとって最大のリスクかもしれません。

 

 と、書いているうちにどんどんネガティブ思考になってしまいました。良くないですね。

 

最近の状況では、現在はトランプ大統領の強硬さが目立ちますが、結局のところ戦争に至るかは中国次第と思います。弱い者に対しては徹底的に強行に出る姿勢は日本にとっても恐ろしいものに感じます。東シナ海南シナ海での主張を穏健なものに変えて欲しいと願ってやみません。

 

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